生成AIの法人向けプランを中小企業はどう選ぶか
・読了目安 約6分
監修: 株式会社Omit 代表取締役 末吉 孝臣
この記事の要点
- Claude Teamの標準シートは年払いで月額20ドル、月払いで25ドルで、対象は2〜150人
- Claude・Microsoft 365 Copilot・Google WorkspaceのGeminiは、契約上は既定でモデル学習に使われない
- Google WorkspaceでGeminiの主要機能を使うにはBusiness Standard以上の契約が必要
- ChatGPT Businessの料金とデータの扱いは、契約前にOpenAI公式サイトで直接確認する必要がある
ChatGPTやClaudeには、個人向けの無料・Proプランと、会社として契約する法人向けプランがあります。両者では、料金だけでなく、入力した内容がAIの学習に使われるかどうかも変わります。まずは何を基準に選べばよいかを整理します。
この記事の結論
法人向けプランを比較するときの基準は、主に3つです。1つ目は、入力したデータが学習に使われないと契約条件で明記されているか。2つ目は、今契約しているOffice・Workspaceと組み合わせて使えるか。3つ目は、人数と料金が自社に合うかです。各社で条件は細かく異なるため、契約前に公式サイトで最新の条件を確認してください。
Claude(Anthropic)のTeam・Enterpriseプラン
Claudeの法人向けプランは「Team」と「Enterprise」です1。Teamの標準シートは、年払いで1人あたり月額20ドル、月払いで25ドルです1。Claude Codeなどの開発者向け環境を含むプレミアムシートは、年払いで月額100ドル、月払いで125ドルです1。Teamは2〜150人向けのプランで、それより大きな組織はEnterpriseの対象になります1。Enterpriseは、シート単価20ドルに加えて、モデルやタスクに応じた従量課金が加わる料金体系です1。
データの扱いについて、公式の料金ページはTeam・Enterpriseとも「既定ではモデルの学習に使われない(None by default)」と明記しています1。Anthropicの商用利用規約にも、サービスを通じて提供された顧客のコンテンツをモデルの学習に使わない旨の条項があります2。個人向けの無料・Proプランでは扱いが異なるため、生成AIに何を入力していいか、中小企業が守るべき情報の扱い方もあわせて確認してください。
Google Workspaceで使うGemini
Google Workspaceでは、Geminiは契約プランに組み込まれる形で提供されます3。公式の料金・プラン比較ページによれば、最も安いBusiness Starterプランは、Gemini機能へのアクセスが「制限あり」です3。Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Vids・ドライブ・Meet・ChatにおけるGeminiの各機能を使うには、Business Standard以上のプランが必要です3。自社の契約がStarterのままだと、Geminiの主要な機能を使えていない可能性があります。
データの扱いについては、Google Workspace公式のプライバシーに関するページが、適格なエディションでGeminiを使う場合、コンテンツが許可なくドメイン外で生成AIモデルの学習に使われることはないと明記しています4。この扱いは、個人のGoogleアカウントで使うコンシューマー版のGeminiとは異なります4。
具体的な月額料金は、公式サイト上でユーザー数に応じて表示される形式です。本稿の執筆時点では確定した金額を一次情報から確認できなかったため、契約前に公式サイトで見積もりを確認してください。
Microsoft 365 Copilot
Microsoft 365 Copilotは、既存のMicrosoft 365契約に追加する形と、単体のアドオンとして契約する形があります5。Copilot Businessアドオン単体は、年払いで1人あたり月額換算2,698円、月払いで3,778円です(年払いの価格は期間限定の割引で、通常は3,148円)5。Microsoft 365 Business Standardと組み合わせた場合は、年払い換算で月額3,523円、月払いで4,228円です5。Business Premiumと組み合わせた場合は、年払い換算で月額4,797円、月払いで5,756円です5。
データの扱いについて、Microsoft公式の技術文書は、Copilotのプロンプトと応答、Microsoft Graph経由でアクセスしたデータが基盤モデルの学習に使われないと明記しています6。Web検索の照会についても、利用者や組織を識別する情報を外した上でBing検索サービスに送られ、モデルの学習には使われないとされています6。
ChatGPT Businessについて、確認できたこととできなかったこと
ChatGPTには法人向けの「ChatGPT Business」がありますが、本稿の執筆時点でOpenAIの公式サイト(openai.com、help.openai.com)にアクセスできず、現在の料金とデータの扱いを一次情報で確認できませんでした。開発者向けAPIについては、OpenAIの公式ドキュメントが、2023年3月1日以降、利用者が明示的にオプトインしない限り、APIに送信したデータはモデルの訓練や改善に使われないと明記しています7。ただしこれはAPI利用に関する記載であり、ChatGPT Business・Teamプランの契約条件そのものではありません。ChatGPTを法人契約する場合は、料金とデータの扱いの両方を、契約前にOpenAIの公式サイトで直接確認してください。
導入時につまずきやすいところ
人数の下限・上限に注意してください。ClaudeのTeamプランは2〜150人向けで、それより少ない・多い場合はプランの対象外になります1。
「学習に使われない」という条件も、対象の範囲を確認してください。Google WorkspaceのGeminiは「適格なエディション」での利用が対象で4、個人アカウントでの利用は対象外です。Microsoft 365 Copilotも、プロンプトと応答、Microsoft Graph経由のデータについての記載であり、Web検索の照会は別の仕組みで扱われます6。契約前に、自社の使い方がその条件に当てはまるかを確認してください。
Geminiの主要機能は、Business Starterでは使えません3。すでにGoogle Workspaceを契約している場合は、まず自社がどのプランかを確認してください。
まとめと、明日できること
- 社員が個人向けプランを各自で契約していないか、社内の利用状況を確認する
- すでにMicrosoft 365やGoogle Workspaceを契約しているなら、まずCopilot・Geminiを追加できるプランかどうかを確認する
- データが学習に使われない条件が自社の使い方に当てはまるか、契約前に公式サイトで確認する
出典
Anthropic Commercial Terms(2026年9月6日 参照) ↩
Google Workspace公式 料金・プラン比較ページ(2026年9月6日 参照) ↩ ↩ ↩ ↩
Google Workspace公式「Generative AI Privacy Hub」(2026年9月6日 参照) ↩ ↩ ↩
Microsoft公式「Microsoft 365 Copilot プランと価格」(2026年9月6日 参照) ↩ ↩ ↩ ↩
Microsoft Learn公式「Enterprise data protection in Microsoft Copilot and Microsoft Copilot Chat」(2026年5月29日 公開)(2026年9月6日 参照) ↩ ↩ ↩
OpenAI Developer Platform「Data controls in the OpenAI platform」(2026年9月6日 参照) ↩
出典
本文中の番号([1] など)は、下記の出典に対応しています。
- [1] Anthropic公式 Claude Pricing claude.com ・2026年9月6日 参照
- [2] Anthropic Commercial Terms www.anthropic.com ・2026年9月6日 参照
- [3] Microsoft公式「Microsoft 365 Copilot プランと価格」 www.microsoft.com ・2026年9月6日 参照
- [4] Microsoft Learn公式「Enterprise data protection in Microsoft Copilot and Microsoft Copilot Chat」 learn.microsoft.com ・2026年5月29日 公開 ・2026年9月6日 参照
- [5] Google Workspace公式 料金・プラン比較ページ workspace.google.com ・2026年9月6日 参照
- [6] Google Workspace公式「Generative AI Privacy Hub」 knowledge.workspace.google.com ・2026年9月6日 参照
- [7] OpenAI Developer Platform「Data controls in the OpenAI platform」 developers.openai.com ・2026年9月6日 参照
よくある質問
Q. 生成AIの法人向けプランに入力したデータは、AIの学習に使われますか
Claude・Microsoft 365 Copilot・Google WorkspaceのGeminiは、いずれも公式の契約条件で既定ではモデルの学習に使われないとされています。ただし対象になる範囲はサービスごとに異なり、個人アカウントでの利用は対象外です。ChatGPT Businessについては、契約前にOpenAIの公式サイトで直接確認してください。
Q. Claude Teamプランの料金はいくらですか
標準シートは年払いで1人あたり月額20ドル、月払いで25ドルです。Claude Codeなどの開発者向け環境を含むプレミアムシートは、年払いで月額100ドル、月払いで125ドルです。対象は2〜150人で、それより大きな組織はEnterpriseプランの対象になります。
Q. Google WorkspaceでGeminiを使うにはどのプランが必要ですか
Business Standard以上のプランが必要です。最も安いBusiness Starterプランでは、Geminiの主要機能へのアクセスが制限されています。具体的な月額料金は契約人数によって変わるため、公式サイトで見積もりを確認してください。
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