会議の議事録をAIに任せる前に知っておきたいこと
・読了目安 約6分
監修: 株式会社Omit 代表取締役 末吉 孝臣
この記事の要点
- Zoom・Teams・Google Meetの議事録機能は無料プランでは使えず、それぞれ対象の有料プラン・ライセンスへの加入が必要
- Microsoft Teamsは文字起こしと録画を事前に有効にしていないと、話者やチャプター情報のない簡易な要約になる
- Zoom・Microsoft・Google Workspaceはいずれも、顧客の会議内容を無断でAIモデルの学習に使わないと公式に説明している
- 議事録の届け先はサービスによって違う。Teamsは参加者ごとのメールボックス、Google Meetは主催者とメモ開始者へのメールで届く
会議のたびに、話を聞きながらメモも取らなければならない。議事録をまとめるだけで30分かかり、次の仕事に取りかかるのが遅くなる。そんな悩みを抱えていないでしょうか。実は、すでに使っているZoom・Microsoft Teams・Google Meetには、AIが議事録や要約を自動で作る機能が備わっています。新しいツールを契約しなくても、今の契約プランを確認するだけで使い始められる場合があります。
この記事の結論
Zoom・Teams・Google Meetの議事録機能は、いずれも無料プランでは使えず、特定の有料プラン・ライセンスへの加入と、管理者による事前設定が必要です。文字起こしや録画を有効にしていないと、要約の情報が足りなくなる場合もあります。始める前に、今の契約プランで使えるか、どの情報を会議で話してよいかを確認しておくと、迷わず導入できます。
Zoomは有料プランに議事録機能が含まれる
Zoom AI Companionの会議要約機能は、会議やウェビナーが終わると自動で構造化された要約を作り、主要な論点・決定事項・アクションアイテムをまとめます。手動でメモ担当者を置く必要はありません1。
ただし、無料のBasicプランでは使えません。この機能を使うには、Zoom Workplace の Pro、Pro Plus、Business、Business Plus、Enterprise、Enterprise Plus、Enterprise Bundle のいずれかのアカウントが必要です2。さらに、機能をオンにできるのはアカウントオーナーか、管理者権限を持つ人に限られます2。心当たりがなければ、まず自社の契約プランと、社内でZoomの管理者になっている人を確認するところから始まります。
要約は録画ではなく、会議中の音声をテキスト化したデータをもとに作られます3。複数の言語が話された会議では、参加者の多数派が使っている言語か、ホストが話す言語で要約が出力されます3。
要約が誰に届くかも、管理者が設定できます。共有対象はホストのみから組織外のユーザーまで選ぶことができ、逆にユーザー自身が要約を共有できないよう制限する設定もあります2。社外の相手が参加する会議で使う場合は、共有範囲を確認しておくと安心です。
Microsoft Teamsは文字起こしと録画の設定がカギになる
Microsoft Teamsの「インテリジェント要約」を使うには、Teamsを含むMicrosoft 365サブスクリプションに加えて、Teams PremiumライセンスまたはMicrosoft Copilotライセンスをユーザーに割り当てる必要があります4。会議の音声要約を使う場合は、Microsoft Copilotライセンスが必須です4。
もう一つ見落としやすいのが文字起こしの設定です。インテリジェント要約を使うには、事前に会議の文字起こしをオンにしておく必要があります4。さらに、会議の録画を許可するポリシーを割り当てていないと、要約は作られるものの、話者・トピック・チャプターの情報が付かない簡易な内容になります4。管理者に文字起こしと録画のポリシーを確認してもらうことが、使い始める前の一手間になります。
生成されたAIノートと、AIが提案するタスクは、会議参加者それぞれのメールボックス内のExchangeフォルダーに保存されます5。共有フォルダではなく個人宛てに届く点は、社内での配布方法を考えるときに押さえておきたいところです。
対応する会議の種類にも幅があります。Teamsクライアントでスケジュールした会議、Outlookでスケジュールした会議、今すぐ開始する会議、イベントのいずれでもインテリジェント要約は使えます。ただし音声だけをまとめる「オーディオの要約」は、スケジュールされた会議でのみ利用できます4。
Google Meetのメモは主催者とメモ開始者に届く
Google Meetの「メモを取る」機能は、Business Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plusといった対象エディションに限られます6。対応言語は日本語を含む8言語ですが、同じ会議で複数の言語が話される場合には対応していません6。
会議が終わると、メモをまとめたGoogle Docが会議の主催者とメモを開始した人にメールで送られます。Googleカレンダーで予定していた会議であれば、メモはその予定にも添付されます6。届く相手は主催者とメモを開始した人に限られ、参加者全員へ自動で共有されるわけではありません。
ここまでの内容を整理すると、3つのサービスに共通するのは「無料では使えない」「事前の設定か管理者の対応が要る」「顧客の会議内容を無断でAIの学習に使わない」という3点です。
情報の扱いを確認しておく
議事録には、社外に出せない情報が含まれることもあります。いずれのサービスも、顧客の会議内容を無断でAIモデルの学習に使わないと公式に説明しています。
Zoomは、顧客の音声・動画・チャット・添付ファイルなどを、Zoom自身や第三者のAIモデルの学習に使用しないと明言しています7。Microsoftも、顧客データはAIモデルの学習やテストにログ・使用されず、OpenAIなど社外の第三者とも共有されないとしています5。Google Workspaceも、顧客の許可がない限り、入力したプロンプトやコンテンツを生成AIモデルの学習に使わないと約束しています8。
とはいえ、公式の説明を確認したうえで、社内でどこまでの情報を会議やAI機能に載せてよいかのルールを決めておくことに変わりはありません。この点は生成AIに何を入力していいか、中小企業が守るべき情報の扱い方でも扱っています。
導入時につまずきやすいところ
- 今の契約プランで使えるかどうかを確認せずに「議事録機能がない」と諦めてしまう。まずは管理者に契約プランと権限を確認する
- 文字起こしや録画を有効にしないまま使い始め、要約の情報が足りないと感じる。Teamsは特に、録画を許可していないと話者やチャプターの情報が付かない4
- 議事録の生成が誰に届くかを確認せずに使い始める。Google Meetのメモは主催者とメモを開始した人にだけメールで届き、Teamsのノートも参加者それぞれのメールボックスに個別に届く56
まとめと、明日できること
- 自社が契約しているZoom・Microsoft 365・Google Workspaceのプランを確認し、議事録機能の対象に含まれているか調べる
- 対象であれば、管理者に文字起こし・録画・要約機能の有効化を依頼する
- 会議でAIに任せてよい情報の範囲を、社内で簡単に決めておく
出典
Zoom Technical Library「Zoom AI Features」(2026年9月7日 参照) ↩
Zoomサポート「Enabling or disabling meeting summary with AI」(2026年9月7日 参照) ↩ ↩ ↩
Zoomサポート「Using Meeting Summary with AI」(2026年9月7日 参照) ↩ ↩
Microsoft Learn「Teamsの通話、会議、イベントのためのインテリジェント要約」(2026年5月7日 公開)(2026年9月7日 参照) ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩
Microsoft Learn「Teams Premiumのインテリジェントな要約のためのデータ、プライバシー、およびセキュリティ」(2023年11月8日 公開)(2026年9月7日 参照) ↩ ↩ ↩
Google Workspace管理者ヘルプ「Let Google Meet AI take notes for my users」(2026年8月26日 公開)(2026年9月7日 参照) ↩ ↩ ↩ ↩
Zoom Technical Library「Models, Processing, Storage, and Usage」(2026年9月7日 参照) ↩
Google Workspace管理者ヘルプ「Google Workspaceの生成AIに関するプライバシーハブ」(2026年9月7日 参照) ↩
出典
本文中の番号([1] など)は、下記の出典に対応しています。
- [1] Zoom Technical Library「Zoom AI Features」 library.zoom.com ・2026年9月7日 参照
- [2] Zoomサポート「Enabling or disabling meeting summary with AI」 support.zoom.com ・2026年9月7日 参照
- [3] Zoomサポート「Using Meeting Summary with AI」 support.zoom.com ・2026年9月7日 参照
- [4] Zoom Technical Library「Models, Processing, Storage, and Usage」 library.zoom.com ・2026年9月7日 参照
- [5] Microsoft Learn「Teamsの通話、会議、イベントのためのインテリジェント要約」 learn.microsoft.com ・2026年5月7日 公開 ・2026年9月7日 参照
- [6] Microsoft Learn「Teams Premiumのインテリジェントな要約のためのデータ、プライバシー、およびセキュリティ」 learn.microsoft.com ・2023年11月8日 公開 ・2026年9月7日 参照
- [7] Google Workspace管理者ヘルプ「Let Google Meet AI take notes for my users」 knowledge.workspace.google.com ・2026年8月26日 公開 ・2026年9月7日 参照
- [8] Google Workspace管理者ヘルプ「Google Workspaceの生成AIに関するプライバシーハブ」 knowledge.workspace.google.com ・2026年9月7日 参照
よくある質問
Q. 無料プランでもAIに議事録を作ってもらえますか
いいえ、3つのサービスとも無料プランでは使えません。Zoomの会議要約はWorkplace ProやBusinessなどの有料アカウントが必要です。Microsoft Teamsのインテリジェント要約にはTeams PremiumまたはMicrosoft Copilotライセンスが必要です。Google Meetのメモ機能も、Business Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plusといった対象のGoogle Workspaceエディションへの加入が前提になります。
Q. 議事録の内容はAIの学習に使われますか
Zoom、Microsoft、Google Workspaceはいずれも、顧客の許可なく会議の内容を自社や第三者のAIモデルの学習に使わないと公式に説明しています。Microsoftは顧客データを社外の第三者とも共有しないとしています。ただし公式の説明を確認したうえで、社内でどこまでの情報をAI機能に載せてよいかのルールを決めておくことに変わりはありません。
Q. 録画しなくても議事録は作れますか
サービスによって扱いが違います。Zoomの会議要約は録画ではなく、音声をテキスト化したデータから作られます。一方Microsoft Teamsは、録画を許可するポリシーがないと要約は作られるものの、話者・トピック・チャプターの情報がない簡易な内容になります。録画が必要かどうかは、使っているサービスの設定を確認してください。
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